子供に負担をかけたくない、
お墓にお金をかけたくない
お墓を見ていく後継者がいないなど
最近はお墓はいらないという考え方が増えてきています。
でももし「お墓はいらない」と言い遺したまま亡くなってしまったら
遺された家族はどうしたらいいか考えることになってしまいます。
負担をかけないつもりが、精神的な負担を残してしまった
そんなことにならないために
お墓がなかった場合どうするか、どんな選択肢があるかを紹介します。
お墓はいらないと言い遺し亡くなった場合
「お墓はいらない」と生前言い遺し、そのまま亡くなった場合、
遺された家族には「お墓がいらない」という言葉だけが残ってしまいます。
どうしていいか分からず、手元に遺骨を置いたままになって
悩んでるうちにあっと言う間に2年、3年。
すっかりタイミングを逃してしまう。
中には15年お家に遺骨を置いてる、
気がつけば骨箱が3つ並んでしまったという方も。
さらには家族全員亡くなって、甥子さんがお骨をすべて引き取られたとか。
ちょっと脅かしてしまったかもしれませんが
私がお墓の営業をしていた時に聞いた、実際のお話です。
遺骨を手元に置かれているご家族の中には
成仏できていないかもと、罪悪感で苦しんでるというお話も聞きます。
手元に遺骨を置いてると、成仏できていない?
仕事上いろんなお坊さんに会う機会があったので聞いてみたのですが
手元に遺骨を置いているからといって、
皆さん放置しているわけではありませんから
成仏できていないってことはないそうです。
毎日、やすらかに眠ってねって骨壷の前で手を合わせて願う。
手元供養といって、ちゃんとした供養の方法です。
もしかしたら故人さまは、ずっとそばで家族を見守れて幸せかもしれません。
「お墓はいらない」から「こうしてほしい」に変える
ちゃんと手元供養をしていても
遺された家族はこのままでいいのかと思い悩む。これも現実です。
「このままでいいのか」
「故人がお墓いらないって言ってたからこのままでいい」を
行ったり来たり。
遺された家族にそういった課題を残さぬよう
「お墓はいらない」という気持ちを
「いらないからこうしてほしい」に変えることが大切です。
最近「お墓はいらない」という考えが増えてきたのはなぜ?
なぜお墓はいらないと思うのか?
お墓はいらないと思う3つの理由
- お墓にお金をかけたくない(初期費用や維持費がかかる・お金がない)
- 子供に負担をかけたくない(お墓の維持費や墓参りの負担・墓じまいになった場合の負担・子供が遠方にいる)
- 誰も墓参りに来ないならいっそいらない(後継ぎがいない・家族と険悪)
昔ながらの、立派な墓石で建てられたお墓のデメリットな部分が
敬遠されてる感じでしょうか…
(個人的には立派な墓石のお墓も歴史を感じるので好きです)
お墓はいらないという人に、ご遺骨はどうされるんですか?と質問すると
返ってくる回答で多いのは、
海か山にまいてくれたらいいよ!
散骨という葬送の方法ですね。
これなら確かにお墓は残りません。
1987年に亡くなった俳優の石原裕次郎さんが海に散骨するとかしないとかで話題になり
そのあたりから、海にまく(散骨)とおっしゃる方が増えたとか、
石原裕次郎さんが亡くなった時は散骨が法律でまだ認められていなかったので、1991年に法律が改正され一部だけ散骨されたそうです。
海に散骨は海洋葬とも呼ばれ、専門の業者が行なっています。
海が好き、自然に帰りたい、そんな方は海洋葬もいいですね。
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お墓を持たない場合のいろんな供養
手元供養や散骨も一つの方法ということがわかりました。
手元供養・散骨を含め、供養にはどんな方法があるか、
- 海洋葬(海に散骨)
- 自然葬(山に散骨)
- 宇宙葬
- 寺にお納めるど、関西では一心寺の骨佛が有名です)
- 手元供養
お墓はいらない理由を解決できれば、お墓があってもいい方へ
たとえば、お墓はいらない3つの理由を解決できれば、
お墓があってもいいんじゃないか?どちらか悩んでいる方へ、
多様性の時代です。お墓はいらないという需要に対応しながら
埋葬の方法やお墓のカタチも大きく変化してきています。
自分が亡き後の行き先「終の棲家(すみか)」は
それぞれに合った場所とカタチを求める時代です。
【悩み別】終(つい)の棲家(すみか)の探し方
「終(つい)の棲家(すみか)」をどうやって見つけるか、
ここからは悩み別の解決策と、「終の棲家」の探し方についてご紹介していきます。
お金がかからない、負担をかけない、さみしくないお墓とは
- 合祀墓 費用が安い
- 樹木葬 比較的費用が安い
- 納骨堂 一般のお墓よりは費用がかからない
【合祀墓とは】維持費がかからない、寂しくないお墓。
お金がかからないことだけで考えると
合祀墓がダントツに安いです。
合祀墓とは寺や霊園などの敷地内に供養塔(シンボル)を建て、
不特定多数の遺骨を一緒に埋葬するお墓です。
合葬墓や共同墓とも言います。
供養塔(シンボル)は様々で、お墓そのものの見た目だったり
観音様や仏様の像だったり
費用は仏1体につき10万円〜30万円くらいと安価です。
最初にかかる費用以外に永遠にお金がかからない(維持費がかからない)ことと
お墓の清掃や管理などをお寺や霊園がしてくれるので
永代供養墓ともいわれています。
管理しているのが寺だと、定期的にお経をもらえているところもありますが
平均的に、年に1〜2回合同供養祭を行うものが多いです。
人が集まり合同で供養するので寂しくないし、お墓も荒れないので
後継者がいない方、お一人の方は合祀墓を選ばれる方が多いです。
【樹木葬とは】お墓の管理の負担なし、安価なものから理想を求めたこだわりの需要も。
樹木葬は葬式かと勘違いされることもありますがお墓です。
シンボルになる樹木を中心にして穴を掘って埋葬するお墓のことで、
樹木の下に納骨するスペースと石のプレートを置くタイプや、小さな石碑を置くタイプ、
庭園のように綺麗に整備された霊園の中の樹木葬もあります。
以前は霊園の隅っこでシンプルで安価な樹木葬が多かったのですが
最近では樹木の下で眠りたいという人が増えたため樹木葬を拡張した霊園も。
バラ庭園になっていたり、
海外から輸入された立派な古木(大木)がシンボルになっていたり
仕様が様々になった分、価格の幅も広くなってしまいました。
それでも石を使わない分安価な樹木葬もたくさんあります。
樹木葬は合祀タイプと個別のお墓になっているもので価格が違います。
最初の初期費用に墓地の費用+石のプレート費用や維持費が含まれているものがほとんどです。
決められた期限の間は個別でお墓としてお参りできて、期限後は合祀に移す、【期限付き・個別タイプの樹木葬】が安価でおすすめです。
期限付き樹木葬は立地にもよりますが、安いものだと30万円台からあります。
ただ安価で手に入る分、埋葬できる人数に制限がある場合が多いのでチェックが必要です。
ひとり用、2人用、4〜6人用といろいろあります。
この2点は要チェック
・入れる人数(納骨制限)は何人までか
・個別で収めれる期限は何年か(合祀に移されるのは何年後か)
私がお墓の営業をしていた時も樹木葬は人気でした。
特に女性に人気で、
- 自然の中で眠りたい
- 後継者がいない、自分だけ
- 子供がいるけど女の子だけ
- ご夫婦だけで入りたい・先祖のお墓に入りたくない(先祖のお墓が遠い)
- 夫と一緒のお墓は嫌
こんな感じで、ひとりだけで・夫婦二人で・姉妹(兄弟)で入るなどの需要が多いのは樹木葬です。
余談ですが「夫と一緒のお墓に入りたくない」という女性、結構多いんです。
夫婦で霊園の見学時、旦那さんは一般のお墓を見て、奥さんはこっそり樹木葬のパンフレットをもらうというパターン。死んでまで一緒は嫌なんだそう。
「一緒のお墓は嫌!」と言われないように、旦那さんは奥さんのこと大事にしてあげてください。
【納骨堂とは】駅チカでお参りしやすい、ロッカー式、自動搬送式など進化しているお墓。
建物内の専用のスペースに骨壷を収蔵するお墓です。
シンプルな棚式や、扉のついたロッカー式、カードなどで操作してお墓参りをする自動搬送式(機械式とも言います)など、
お寺が管理している納骨堂と民間が管理している納骨堂があります。
駅から近い好立地が多く、天候に左右されずお参りができるので人気です。
初期費用は一般のお墓よりも安く、お墓掃除などの手間もかからないので維持が楽です。
最近では、カードをかざすと本物のお墓のようにお参りできる自動搬送式納骨堂が、都市の中心部に増えてきています。
タイプによって価格は様々、安価なものは20万円台から、お寺の格式、立地やタイプで100万円台の納骨堂も。
維持費は年間の管理料がかかるものと、最初の初期費用に組み込まれているものがあります。
納骨堂はどのタイプも他の個別に遺骨が収められ、屋内なので、
将来引越すことになっても遺骨を取り出して一緒に新天地へ移すとか、
お参りが難しくなった時は永代供養墓や合祀墓へ移すという選択もできます。(永代供養付きの納骨堂があります)
どこかへお骨を移すことになっても墓じまいの費用がかからないのでおすすめです。